ヨーロッパにない、日本ワインならでは魅力「多様性」 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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ヨーロッパにない、日本ワインならでは魅力「多様性」

覚えておきたい人気&注目の10種

覚えておきたい人気&注目の10種

◆赤ワイン用原料

マスカット・ベーリーA日本の代表的な赤ワイン用品種
 昭和初期、川上善兵衛が交配した生食との兼用品種。北海道を除く、日本各地で栽培。赤ワイン原料としては醸造量最大。手頃な価格のものから本格的な樽熟成タイプまである。

ブラック・クイーン日本の家庭料理とも相性良し
 昭和初期、川上善兵衛が交配したワイン用の専用品種。山形、山梨、長野、が代表的な産地。豊かな酸が特徴的で、手頃な価格の軽やかなスタイルは、特にお薦め。

メルロ柔らかな果実味が魅力
 ヨーロッパ原産品種の中では、日本で醸造量がもっとも多い。世界的にも人気が高い品種。長野県を中心に北海道から大分まで栽培されている。近年の品質向上が目覚ましい。

カベルネ・ソーヴィニヨン高貴な香りと厚みのある味わい
 フランスのボルドー地方原産の世界中で人気の高貴品種。日本のヨーロッパ系品種では2番目の醸造量。山形県、長野県が適地で、日本でも最高峰のワインが造られる。

ピノ・ノワール芳醇な香りで多くの人を魅了
 世界中の人々を魅了するヨーロッパ系品種。北海道が日本全体の醸造量の半分以上を占め、人気も高く、栽培面積が急増。長野県の標高の高い地域でも取組みが増加中。
 

◆白ワイン用原料

甲州繊細な香りの日本の伝統品種
 700~1000年の栽培の歴史を持つとされる日本の固有の東洋系品種。醸造量は最大。9割以上を山梨県が占める。スパークリングワイン、フレッシュなタイプなどスタイルは多様。

デラウェア甘やかな香りで親しみやすい
 アメリカのオハイオ州原産だと言われる。山梨、山形、大阪、北海道など日本全国でワインが造られている。1000円台の微発泡性のスパークリングワインは初心者にもお薦め。

シャルドネ程よい厚みをもった本格派
 世界中で人気の高いヨーロッパ原産の品種。日本でも現在栽培面積が急増中で、北海道から宮崎まで広く栽培されている。国際的に評価も高いワインが造られるようになっている。

ソーヴィニヨン・ブラン豊かで爽やかな香りが身上
 近年、ワインのアイテム数が急増中のヨーロッパ系品種。北海道、山形、長野など、気候が比較的冷涼な地域のものが特にお薦め。柑橘系の豊かな香りが特徴的。

ピノ・グリ将来性のある個性派品種
 いまだ栽培地は限定的だが、世界的に評価されるワインも造られているヨーロッパ系品種。北海道、長野県が特に注目。ほのかな苦味が特徴的で、和食との相性もよし。

(雑誌『一個人』2017年11月号より構成)

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鹿取 みゆき

ワインジャーナリスト

信州大学特任教授。ワインをはじめ農産加工物の作り手への取材を行い、「日本ワイン」の発展のために注力している。『日本ワインガイド 純国産ワイナリーと造り手たち』(虹有社)ほか著書多数。


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